Sewer Robots

下水道維持管理ロボット、穿孔機（下水道管内の異物除去や更生工事後のライニング材の穴あけで使用）は、人が中に入って作業ができない口径600mm以下の下水道管において、異物や木の根の除去を行うものです。管内の流動空間を確保するとともに、さらなる下水管の損傷を防ぐことができます。当社の下水道管メンテナンスロボットの研究開発は、2017年度いしかわ企業研究者表彰事業表彰を受け、加えて、研究開発に積極的な姿勢と壊れにくい設計技術力が高く評価され、2019年度にスーパーミニモグプラスが「グッドデザイン賞」を受賞しました。「壊れにくい設計」というニーズは業界全体に以前からあり、ミニモグを設計する際のコンセプトになっていましたが、もう一つ「シンプルであること」というコンセプトも設けていました。下水道業界は伸長が期待される業界のため新規参入企業も増えてきており、そうした企業にとっては、機能が多く付属している製品は使いづらく、また高価格のため手も出しづらいと考えたからです。結果として、必要最低限の機能を持ち、確実に仕事をこなせる製品は思っていた以上の評価をいただくことができました。また、この「壊れにくく、シンプル」な製品は、ノウハウが不足していても使いやすく、仮に壊れたとしても復旧作業が容易であるため、発展途上国においても有効であると考えています。

設計→製造→検査→アフターサービスをワンストップで行う「一貫システム」にこだわり、建設機械、下水道ロボット、航空機においてお客様の手間を省くとともに、求められているレベルのものをご提供することを可能にしています。特に世界的な成長産業である航空機産業においては、航空エンジンの難削素材加工及び精密部品加工ニーズが高まっており、技術的にも性能的にも高いクオリティを求められるため、工法設計・加工・品質検査の「一貫システム」で取り組むことが、より必要になると考えています。今後の業界拡大に合わせ積極的な設備投資を行い、生産能力拡大、技術革新を図ることで業界の成長にも寄与していく所存です。また、下水道ロボットに関しては、製造からアフターメンテナンスまで一貫して行っており、全国どこででも代理店を挟まずに社員が営業・アフターメンテナンスを行っているため、お客様に対しては十分なケアができていると自負しております。そうした取り組みによりお客様との距離が近くなることで、フィードバックを迅速に反映させ、ニーズに合った製品のご提供を可能にしています。

JICA様の「中小企業・SDGsビジネス支援事業」には、大きく「案件化調査」と「普及・実証・ビジネス化事業」の2ステップがあり、「案件化調査」ではマレーシアでの現地調査を終え、下水道維持管理団体への自社商品の販促や紹介活動を実施しています。そして現在は、「普及・実証・ビジネス化事業」が採択され、今後2年間にわたり、マレーシアの下水道業界の関係各所に下水道の維持管理手法、日本式の予防保全促進ソリューションを提案し、その有効性を実証することでビジネスに繋げていこうと試みています。すでに現地サプライヤーとの代理店契約を締結し、海外市場へのビジネス展開に積極的に取り組むとともに、マレーシアの下水道課題をモデルケースに他国への展開も検討している最中です。このようなビジネス化に向けた積極的な準備は高く評価いただいており、将来的には社員を常駐させることも考えています。また、海外の企業訪問や展示会の視察、出展にも積極的で、エアショー2020in Singaporeでは、海外企業との商談会に参加し、プレゼンを行いました。